実験結果
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表1: 本システムを用いた被験者の作業状況
表2: 印刷されたマニュアルを用いた被験者の作業状況
表1と表2は、本システムを用い
て基板検査を行った被験者と印刷されたマニュアルを用いて基板検査を行った被験者の
作業時間および、誤りの個数についてまとめたものである。本システムを用いる被験者
の作業時間は、印刷マニュアルを用いる被験者の作業時間の約3分の1に削減できてい
る。これは、印刷マニュアルを用いた被験者には、次に示すように第
4.1節であげた問題点や想定外の誤りも見受けられた。
- 対象基板に視点を移したため、作業行程の進行状態が
分からなくなる。
被験者の多くはマニュアルの説明個所を明瞭に記憶せずに作業を行なうため、マニュ
アルから視線をはずしたり、何かの拍子に冊子が閉じてしまった際に、現在行ってい
る作業行程がマニュアルのどこに記されているかを失ってしまう。
- 逆に、マニュアルに視点を移したため、計測部位が分からなくなる。
(1)と同様、プリント基板のように類似した部品が多数マウントされて
いる対象では、一旦それから視線をはずせば対象箇所がどこなのかを失ってしまう。
- マニュアルの説明文を精読していないため、作業行程を誤って把握し
ている。
作業者の多くはマニュアル内の必要と思われる部分のみを読み、そのまま作業に入る
ため作業行程内容の誤解が生じていた。
また、本システムを用いて基板検査作業を行った被験者の誤り総数は0である。本シス
テムでは、計測値が指定値にならない限り次の作業工程へ進めないため、手順通に作業
が実行された。印刷マニュアルを用いて作業を行った被験者による誤りは平均0.6回/人
であり、作業行程、計測部位の誤認が生じている。現実の電子部品の調整作業で、もし
このような作業誤りを起こせば、製品全体の不良を引き起こすため、致命的な損失になる
と考えられる。
本実験により、本論文で提案するAR技術を用いた作業支援システムが実社会の具体的な
作業において有用であることが実証された。
Yoshihiro Ban (yosihi-b@is.aist-nara.ac.jp)
1998年 9月 8日(火曜日) 15時00分