コロンビア大学のKARMAはARの先駆的研究であり、プリンタの保守作業を支援した [3]。ソニーCSLはプリント基板の部品説明をカメラと二次元バーコードを 組み合わせたARシステムで実現した[4]。より実際の工業作業の支 援のため、ボーイング社は、航空機の部品であるワイヤハーネスの製造に、ARシステム を適応した[5][6]。 作業者はシースルーHMDおよびPCを携帯している。ワイヤハーネスの製造作業はとて も複雑であり、通常では設計から組み立てまでの作業に一ヶ月程費やすことになる。まず 最初に、CADによる設計作業が行われる。次に、配線図を施した基板が製造され、配線 を施すために杭が打ち込まれる。航空機のロットによって、これらの配線が異なること が作業をより複雑なものにしており、このARシステムは、現在配線すべきケーブルのみ を無地の基板にスーパーインポーズすることによって、作業の複雑さを取り除くことに 成功し、25〜50%の時間短縮という効率化がなされている。またハードウェア面 では、作業支援用の専用HMDとしてサイブナー社からモバイル・アシストIIが商用化さ れている[7]。
これらのARによる作業支援システムは作業情報を作業者に提示することが中心であり、 作業そのものの管理の自動化まで含めたものでなかった。そこで本研究では作業管理を も含めたトータルな作業支援AR環境の構築を目指している。