Japanese/ English

MRビリヤード

MR Billiard



はじめに

ビリヤードは, 技術を磨けば男性でも女性でも, また子供でも老人でも互角に競える数少ないスポーツであり, 文部科学省が推薦する「生涯スポーツ」として推奨されている. しかし, 子供や老人が気軽に立ち寄れる場所はまだ数少ない. 一方, 手軽にビリヤードを楽しめるものとしてビデオゲームがあるが, 実際にキューをもってプレイするわけではないため技術的な練習にはならない. 本研究では, 現実空間に仮想空間を重畳させ現実世界を増強させるMixed Reality技術を用いて, MR空間内において実際のビリヤード同様の技術練習がおこなえるシステム『MRビリヤード』を提案し, 構築する. また, その構成要素として, 球を撞く際の撃力提示を行うデバイスを提案し, 構築する.



提案手法

システム概要

本システムは, キュー型デバイス, パラレルビデオシースルー型HMD, 簡易ビリヤード台から構成される. プレイヤがHMDを装着することで, 簡易ビリヤード台には仮想のビリヤード台が重畳され, 台の上には仮想のビリヤード球が提示される. プレイヤの頭部の位置・姿勢に応じた仮想物体を提示することにより, ビリヤード台を見回すような行動が可能となる.


図1. MRビリヤードイメージ図


簡易ビリヤード台に重畳する仮想のビリヤード台の位置を変えることにより, プレイヤは歩き回らずともプレイを行うことが可能である. また, 球の配置を保存しておくことで, 同じ状況が瞬時に再現でき, わざわざ並べ直さずとも, 繰り返しの練習が可能となる.
キュー型デバイスは, ビリヤードのキューを模したものであり, プレイヤはこれを用いて現実空間に重畳された仮想のビリヤード球を撞く. つまり, 実際のビリヤードと同じプレイ感覚を再現可能である. また, 内部には仮想の球を撞く際に撃力を発生させるデバイスが設置されている.
図2にMRビリヤードの実装図とシステムブロック図を示す.
HMDに設置されているカメラの外部パラメータの算出は, "MRプラットフォーム"を利用した. キュー型デバイスの先端位置は, 磁気センサとマーカのハイブリット手法により算出を行なっている.





図2. MRビリヤード実装図とシステムブロック図





撃力提示デバイス概要

本研究では, MRビリヤードにおける撃力を提示するために, 制御可能な可動鉄芯の衝突を利用する手法を提案する(図3). キュー型デバイスの内部に2つのDCプルソレノイドを向かい合わせに並べて, 可動鉄芯が左右のソレノイドの間をスライドする形とする. 撃力発生用ソレノイドに電圧を加えると鉄芯とソレノイドが衝突し, 衝突時の微少時間におけるキュー型デバイスの運動量の変化が撃力としてユーザに提示される.




図3. 撃力提示デバイス(左)と撃力提示デバイス全体構成図(右)




プレイ風景








図3. プレイ風景

MR Billiard動画