過去の研究
我が国でカラーテレビが正式に放送開始された1960年に、電子顕微鏡用表示器のスロースキャン装置を静大で卒論にして、東芝へ放送機器、特にVTRを開発したく入社しました。TV受像機にVTRを組み込みたいという夢を語ると、当時は真空管時代で、まだトランジスターも接合型がやっと国産で商品試作の頃でしたから、それはとても無理だといわれました。実際、一生懸命に毎日徹夜に近い研究・開発を先輩達がしているVTRは、キャビネットラック3本にもなり、その小型化や安定化に皆さん必死に取り組んでおられました。
朝日放送が開発したカラーバースト・ジェネレーターをトランジスター化して、商品化するように、入社早々に担当させていただけ、以来、種々なスタジオ機器のトランジスター化・全半導体化を順次行いました。
多くの方々の御指導と御協力のお蔭様で、今まで一貫して放送機器・システムの開発・研究が出来たことを幸せに思い感謝いたしております。
これまでに、学術論文29件、学会等発表21件、著書[部分執筆]2件、特許・実用新案7件、等があります。これまでの研究概要と代表例は次の通りです。
1. 放送局スタジオ機器のトランジスター化
接合型トランジスターが市場に現れた、まだ真空管全盛の、テレビ放送がモノクローム時代に、担当者としてパルス系機器のトランジスター化から始め、シリコントランジスターやSCR等の高周波・大電力半導体が開発・商品化されるのと平行して、スタジオ機器全般の全半導体化と標準化に従事しました。
多くの諸先輩・同僚、同業技術者、NHK・民放の顧客関係各位の御指導と御支援を賜りました。
(1) トランジスター式テレビ機器:同期信号発生器 [分担執筆]
「放送技術」(昭和36年1月:p69-77) 兼六館出版社
(2) 同期信号発生器/特殊効果装置 [分担執筆]
「パルス技術便覧」(昭和41年12月:p786-795/p816-819)日刊工業新聞社
(3) 同期信号発生器/映像調整装置 [分担執筆]
「テレビ放送装置の入門」(昭和48年6月:p68-87/p134-148)東京電機大学出
(4) 最近のテレビジョン映像信号切換装置 [共著]
「東芝レビュー」(昭和43年9月:p1170-1181)
(5) 新型パルス分配増幅器とパルス測定条件統一に対する提案 [共著]
「テレビジョン学会誌」(昭和45年8月:p658-661)
(6) New Video &Pulse Distribution Amplifier [共著]
「英文東芝レビュー」(昭和45年6月:p41-46)
2.スタジオ機器の高規格化とIC化――LIC作戦
テレビ放送設備のカラー化、特に伝送特性の高規格化と小型化・低消費電力化・高信頼化と共に、システムの大規模化・多機能化に対処するために、
「LIC作戦----スタジオ機器の高規格化とIC化」を提言、プレイイング・マネージャーとして、半導体工場をはじめ全社的な支援・協力を得て、7種類のモノリシックICを自社開発し、10種類のIC化標準機能ブロックと50種類の標準化ユニットなどによる多種類のスタジオ機器の商品化を完成させました。
これによりスタジオ・システムの完全半導体化が総合的に高信頼性を含め達成出来ました。
(1) LICの成果......スタジオ機器の高規格化とIC化 [共著]
「東芝レビュー」(昭和46年11月:p1436-1442)
(2) High Performance Broadcast Studio Equipment Employing ICs[共著]
「英文東芝レビュー」(昭和46年夏季号:p30-36)
(3) スタジオ機器用半導体ICの設計と応用 (1) [共著]
「放送技術」 (昭和46年5月号:p125-129) 兼六館出版社
同 上 (2) (昭和46年6月号:p82-87)
同 上 (3) (昭和46年7月号:p84-89)
同 上 (4) (昭和46年8月号:p121-127)
(4) スタジオ技術 [共著]
「テレビジョン学会誌・テレビジョン年報」(昭和49年7月号:p511-516)
3. 並列送制御方式画像処理
送局設備の益々の多様化・多機能化・大規模化に従って、伝送特性の向上が受注合戦の重要なポイントとなり、従来から改善・工夫して来た方法だけでは限界があり、システムの機能・規模に左右されずに一定で良好な伝送特性を保持できる方式
==「並列伝送方式」==を考案、開発・商品化し特許取得しました。
上記の「LIC作戦」の延長研究の成果でもあり、まだまだ改良・発展させたいと考えております。
本学で学びなおし、ディジタル化時代に適合した研究・改善に取り組んでおります。
(1) Parallel Transmit/Control Video Switcher Sydtem
for Diversified Broadcast Programs [単独]
「英文東芝レビュー」(昭和47年春季号:p15-22)
(2) Composit 並列伝送制御方式による新型ビデオスイッチャ− [共著]
「放送技術」(昭和46年10月号:p108-116) 兼六館出版社
(3) Composit 並列伝送方式副調ビデオスイッチャ− [共著]
「第7回テレビジョン学会・全国大会予稿集」(昭和46年8月:p161-162)
(4) 並列伝送制御方式映像信号切換器 [共著]
「第6回テレビジョン学会・全国大会予稿集」(昭和45年8月:p137-138)
(5) 信号合成方式 [単独]
「特許出願公告:特昭50−13011」(全5頁)
4. 各種国際テレビ標準規格対応
世界のテレビ標準方式は、NTSC/PAL/SECAMの3方式に区分されているために、スタジオ・システムは非常に面倒で、しかも、細部では、その国に特有の項目があり、設計上複雑で大変です。
当時、業務の拡大と海外進出のために努力・苦心して、種々の問題を解決して来ました。
(1) 国際競争に勝ったフィリピンKBS放送局の新放送センター [共著]
「東芝・電波技報(放送特集号)」(昭和53年10月号:p67-71)
(2) New Broadcast Center of KBS Repablic of the Phippiness[共著]
「英文東芝レビュー」 (昭和54年春季号:p2-7)
(3) 新しい市場・中近東へ進出したSECAM方式スタジオ機器 [単独]
「東芝・電波技報(放送特集号)」(昭和53年10月号:p15-26)
(4) SCAM TV Studio Equipment & System [単独]
「英文東芝レビュー」 (昭和56年秋季号:p13-18)
(5) 最新の放送システムおよび放送衛星の現状 [単独]
「中国北京郵電部・中国中央電子台 他 主催:
北京国際放送機器展・技術シンポジュウム:特別招待講演」
(平成元年10月:全33頁;スライド100枚、OHP20枚/2時間)
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