三次元画像計測に関する研究

(内容詳細)


目次

  1. はじめに
  2. 提案するシステム
  3. 表面反射特性の計測
  4. 実験
  5. おわりに


1.はじめに

コンピュータグラフィックス(CG)が広い分野で利用されるようになり、それに つれて生成する画像もより質の高いものが要求されるようになってきている。 CGによって物体を合成表示するためには、物体の形状に関する情報とともに、 物体の色や陰影情報など質感を決める反射特性に関する情報が必要となる。 自然に存在する物体のみならず人工物においても、物体の表面全体で反射特性が 同一であるということはまれであり、自然なCG表現のためには対象物体表面の 各点における反射特性を設定することが望ましい。 これらは今まで試行錯誤的に実物体と対応付けられてきたが、実対 象から直接自動的に取り込むことが省力化・品質の向上の両面から切望されてきた。
そこで、本研究では 物体の質感を忠実に表現するため鏡面反射特性まで考慮し、物 体面上で観測可能なすべての点における各種パラメータを個別に推定する手法 を提案する。 ここでは物体面の法線ベクトルは既知であるとし、光源を動的に変化さ せて得られる複数枚の濃淡画像から、Phongモデルの拡散反射係数、鏡面反射 係数、光沢強度の3つのパラメータを推定する。


2.提案するシステム

このシステムでは、 レンジファインダから得られる距離画像と光源-物体-カメ ラの位置関係を変化させて撮影した複数枚の明暗画像を入力とし、 物体の3次元形 状と表面反射特性を算出する。 これらのデータからCGによる再構成を行なう。

<システム構成>


3.表面反射特性の計測

原理

物体の反射特性を分光や異方性についてまで考慮し計測しておくことは困難なの で、 ここでは表面反射を近似する反射モデルを導入し、 その近似パラメータの値 を求めることで実現する。 このモデルでは、 反射光は拡散反射光と鏡面反射光の2つの成分の和で求 められる。 つまり物体表面の反射率関数Rは次のように表現 される。

<反射モデル>

ここで各反射光はそれぞれの特性に応じて変化しているため、 光源-物体面- カメラの位置関係を動的に制御することで、 それぞれの成分 を分離、 決定することが可能になる。

計測手順

レンジファインダによって獲得した距離データをもとに、 物体面上の注目点 における3次元位置および法線ベクトルを算出する。 次に、 求めたデータおよび光源-物体-カメラの位置関係を基に、 明暗画像 中での対応点の追跡を行ない、 注目点の濃度変化分布を求める。 この分布に対して二乗誤差が最小となるような近似パラメータを求めることで その点における表面反射特性を決定する。 これらの計算は対象物体上のすべての点について行なう。

<計測 その1>

<計測 その2>


4.実験

上記の手法の有効性を検証するため、 形状情報の獲得が容易でかつ表面反射率 が一様でない物体(球、円柱など)を対象に計測を行なった。 再構成画像を計測画像と比較した結果、 本手法がほぼ正し く機能していることが確認できた。

<実験結果>


5.おわりに

従来計測されていない光沢などの表面反射特性を計測する手法を提案した。 今後は、 形状の複雑な物体の計測に向けてレンジファインダを導入し、 システ ムの構築を進める予定である。


研究の概要へ戻る


河内 洋介(yousu-ka@is.aist-nara.ac.jp)