しかしながら実際のVR環境では動き回るのみでなく、例えばオブジェクトの サイズ変更や色・形等の変更といった意味的操作が必要となる場合が多い。 VR環境内で意味的操作を実行する際には、従来はメニューを呼び出して その中の機能を選択して呼び出す方式、あるいはVR環境内で現実環境を模倣する 方式が採用されてきた。
VR環境内で現実環境を模倣する方式はユーザにとって理解し易い反面、 数々のアイテムの登場が不可欠となる上に、オブジェクトとアイテムとの 相互作用を違和感なく模倣するには膨大な計算コストが必要となり実用的でない。 一方、VR環境内でメニューを呼び出す方式は、ユーザから没入感や直接操作を しているという感覚を奪う傾向が強いために、VRの長所である 「分かり易く直接的」という性質を生かせないといった問題がある。 従来の位置検出用インタフェースの特質を最大限に生かしながら、 VR環境内での意味的操作を簡便かつ直接的な手段によって実現する必要がある。
そこで本研究では、「ユーザの身振り」という簡便かつ直接的であると思われる 手段をVR環境内での意味的操作を実現するための手段の一つとして選択した。 身振りの種類がユーザの意向を表し、身振り動作の激しさや穏やかさがユーザの 感情等を表すものと仮定すれば、ユーザの身振りを認識することにより、 従来型のインタフェースでは検出することが困難であった意味的情報を獲得できる と考えたからである。
本研究では、単眼CCDカメラから入力されるユーザの身振り動画像を用いて、 その身振りの種類や相対的な速度・振幅等の情報を アプリケーションに提供する身振りインタフェースを提案する。