尿中血球細胞の識別方法
目次
- 尿沈渣って何?
- 「自動尿沈渣分析装置」って何?
- 研究内容
健康診断の時や病気になって病院へ行くと、必ず尿の検査がおこなわれます。
尿は、人間の体の状態を示す重要な指標のひとつです。
病人の尿を調べることは、かなり昔から行なわれていたようです。
昔は、色や濁り、臭気など外観を検査していましたが、現在では、
それに加えて、尿定性・尿沈渣の検査が行なわれています。
- 尿定性検査
- 尿の pH、蛋白、潜血反応などを検査します。
- 尿沈渣検査
- 尿中の有形成分を検査します。
尿沈渣は、腎・尿路系疾患のみならず全身疾患の診断・治療に
必要不可欠な検査であり、特に尿中の赤血球・白血球の観察する
ことは臨床上きわめて重要な検査です。
尿沈渣を観察する場合、まず、被検尿を遠心分離機で沈渣物を分離し、
染色液で、細胞質や核、異常物質などを染色し、沈渣物をスライドグラ
スに塗抹するという前処理が必要でした。
尿沈渣の検査から、この煩雑な前処理を取り除いたのが
「自動尿沈渣分析装置」です。
本研究では、「Sysmex UA-2000 (東亜医用電子(株))」のデータ
を使用しています。
この装置は、自動的に染色された被検尿をフラットシースフローセル
と呼ばれる薄く平たいセルに流し込み、1/30秒間隔で対物レンズ
を通して3板式カラーCCDカメラで撮像します。
撮像されたフレームから粒子を1つずつ切り出し、その大きさに
より尿中の有形成分を8つのクラスに粗分類することができます。
入力画像は、「自動尿沈渣分析装置」により、1細胞ごとに切り出された
n×n 画素のカラー画像です。識別の対象となる細胞は、大きさ4〜16μm
で、赤血球、白血球、結晶、真菌などが含まれます。
各画像に対し、背景部分と細胞部分を分離し、細胞画像から特徴パラメータ
を抽出、識別論理にしたがって血球細胞の鑑別を行ないます。
また、形態学的に異常な血球の検出可能性についても検討しています。
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三島 義博(yosihi-m@is.aist-nara.ac.jp)