尿中血球細胞の識別方法


目次

  1. 尿沈渣って何?
  2. 「自動尿沈渣分析装置」って何?
  3. 研究内容


1.尿沈渣とは?

健康診断の時や病気になって病院へ行くと、必ず尿の検査がおこなわれます。 尿は、人間の体の状態を示す重要な指標のひとつです。

病人の尿を調べることは、かなり昔から行なわれていたようです。 昔は、色や濁り、臭気など外観を検査していましたが、現在では、 それに加えて、尿定性・尿沈渣の検査が行なわれています。

尿定性検査
尿の pH、蛋白、潜血反応などを検査します。
尿沈渣検査
尿中の有形成分を検査します。
尿沈渣は、腎・尿路系疾患のみならず全身疾患の診断・治療に 必要不可欠な検査であり、特に尿中の赤血球・白血球の観察する ことは臨床上きわめて重要な検査です。


2.「自動尿沈渣分析装置」とは?

尿沈渣を観察する場合、まず、被検尿を遠心分離機で沈渣物を分離し、 染色液で、細胞質や核、異常物質などを染色し、沈渣物をスライドグラ スに塗抹するという前処理が必要でした。 尿沈渣の検査から、この煩雑な前処理を取り除いたのが 「自動尿沈渣分析装置」です。

本研究では、「Sysmex UA-2000 (東亜医用電子(株))」のデータ を使用しています。 この装置は、自動的に染色された被検尿をフラットシースフローセル と呼ばれる薄く平たいセルに流し込み、1/30秒間隔で対物レンズ を通して3板式カラーCCDカメラで撮像します。

撮像されたフレームから粒子を1つずつ切り出し、その大きさに より尿中の有形成分を8つのクラスに粗分類することができます。


3.研究内容

入力画像は、「自動尿沈渣分析装置」により、1細胞ごとに切り出された n×n 画素のカラー画像です。識別の対象となる細胞は、大きさ4〜16μm で、赤血球、白血球、結晶、真菌などが含まれます。

各画像に対し、背景部分と細胞部分を分離し、細胞画像から特徴パラメータ を抽出、識別論理にしたがって血球細胞の鑑別を行ないます。

また、形態学的に異常な血球の検出可能性についても検討しています。


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三島 義博(yosihi-m@is.aist-nara.ac.jp)