構造モデルを用いたオパールの遊色現象の再現

 

1 オパールの構造と遊色現象について

2 提案モデルおよび可視化法

3 出力結果

 

1 オパールの構造と遊色現象について

オパールの特徴として挙げられる遊色現象とは、観察者の見る角度によって様々な色が現れる現象のことである。 この現象はオパールの構造と深く係わっている。 オパールは約直径200[nm]のシリカ(二酸化ケイ素)粒子が規則正しく積み重なっておりその間には多少の水分が含まれる。 この構造が回折格子と同じ役割を果たすため、光の回折現象が起こる。 これがオパールの遊色現象である。

2 提案モデルおよび可視化法

オパールの構造は,局所的(ミクロレベル)に捉えると規則的だが大域的(マクロレベル)に捉えると不規則であると言える.遊色現象の複雑な色彩はこのマクロレベルの不規則性に深く関係があるため,ミクロレベルでの光の回折現象だけを捉えてシミュレーションするだけでは不十分であり,マクロレベルでの不規則構造も考慮に入れる必要がある.本研究では,粒子をある程度の大きさでまとめてそれらを配置するモデルを提案する.このまとまりの中では粒子が完全に規則的に配置され,それらはすべて同じ反射特性を持つものとする.こうすることで,ミクロレベルでの粒子の規則的な配列による可視光領域の光の回折現象を考慮したシミュレーションが可能になり,また粒子のまとまりを,現実のオパールの構造を反映して配置することでマクロレベルでの不規則構造や空洞もモデルに導入することができる.

 

また、本研究で用いるオパールモデルはクラスタと空洞の集合体であり,光源からの光はすべてのクラスタに同じだけあたるわけではない.レンダリングに際して,観察者の視点位置からレイを飛ばしてそれを追跡して行く一般的なレイトレーシング法では光源からの光がどのクラスタにどの程度到達しているかが判らない.本研究では,予め光源からのレイトレーシングをすることで各クラスタに到達する光源からの光を計算しておき,その結果を用いて視線からレイトレーシングを行なうようにする.光源からの光線追跡では,マクロにおけるクラスタの配置情報と各クラスタにおける反射特性を参照してレイトレーシングを行い,各クラスタで反射した光の強度を得る.この処理によって得たクラスタ毎の反射光の強度と,クラスタ配置情報,視点情報をもとに視点からの視線追跡を行いオパールの分光分布を得る.この分光分布を等色関数によってRGB値に変換して画像を得る.

 

3 出力結果

上記の方法を用いて実際にオパールの遊色現象を表現してみた.下の画像は光源の位置を変えていったときの遊色現象を表現したものである.

 

 

 

 

  

 

光源の位置によって異なった色が見えるのが確認できた.よって本手法が遊色現象の再現するのに有効であることがわかった.

本手法を用いることで同様の発色メカニズムを持つ他の対象も再現できると思われる.

 

 

 

 

home