物体の3次元形状の可視化手法について

概略
 従来、考古学において、遺跡や遺物などの形状を保存する方法としては、 写真やスケッチなどを駆使したものが主流であったが、これらの作業は本質的には 3次元の情報を2次元の情報に変換していることになり、情報の損失を伴うことになる。 そのため、遺跡や遺物などの3次元物体の形状を3次元のままで扱うことに注目が集まっている。 ところが、3次元スキャナを用いて物体の形状を計測すると、物体表面の3次元点群データしか得られない。 このため、これらの点群に面を張ることにより物体の形状を再現することが非常に重要である。 これまで点群に面を張る手法としては、3次元ドロネー法や3次元ボロノイ法などを用いて3次元の 点群に直接面を張るものが研究されてきた。しかし、これらの手法は非常に高コストであり、 また、意図しない結果が生じてしまうケースが存在する。そこで、3次元のデータを 2.5次元に落とすことにより、一般的な面張りの手法である2次元ドロネー法や2次元ボロノイ法を 用いて正確に面を張る手法を考える。
 3次元形状を再現するためには、3次元形状モデルにテクスチャ(表面模様)を貼り付けることが 必要になる。従来は3次元立体データに直接テクスチャ情報を貼り付けていたため、対応付けが 困難であった。しかし、現在研究している手法では、3次元立体データを2次元平面データに変換して いるため、テクスチャと同じ2次元になり、比較的容易にテクスチャ貼り付け処理が行えると考えられる。


2.5次元とは?
 3次元点群データを2次元点群データ、いわゆる2.5次元画像に変換するということは、 3次元点群データを点が重ならないように2次元の平面に投影することにより実現することができる。 そのためには、3次元点群データをある大きさで分割しなければならない。 考えられる分割方法の一つとしては、xy、yz、zx平面にそれぞれ平行な面を用いて対象物体を 順次半分の大きさに分割するものが挙げられる。
 ここで簡単な例を示す。分割する対象の物体は、図1に示した3次元点群データとする。 図1の形状は、原点を中心に大きい球を置き、x、y、z軸がそれぞれ大きい球と交わる点を 中心として6個の小さな球を大きい球に付加した3次元点群データである。 この3次元点群データをxy、yz、zx平面で順次分割を行った。 図2が分割を行って得られた8個のブロックの内、x、y、zが正の部分のものを斜め45度の方向から 見たものである。図1、図2を比較すると、見ている方向はどちらの図も同じであるが、点群の分割を 行うことにより図2では点の重なりがなくなっている。よって、この点群データを平面に投影、 すなわち3次元点群データを2次元点群データに変換することにより、2次元ドロネー法や 2次元ボロノイ法などを用いて面を張ることが可能となる。


  図1 : 3次元点群データ   図2 : 分割された点群データ 


代表的な3次元形状計測装置

MINOLTA製 VIVID900        CYRA製 Cyrax2500

RIEGL製 LPM-25HA